コラム

下請けエンジニアの現実

下請けエンジニアの現実

中高学生のなりたい職業に「SE(システムエンジニア)」が1位になることは記憶に新しく、2020年からプログラミングが必須科目になるなどSE(システムエンジニア)の職業が注目されてきています。

ですが、その注目度に比べて日本のSEとしての給料は海外に比べとても低い水準にあります。

特に「下請け」と言われるSEは働く企業によっては最低賃金並の給与で働いているんです!!  

 

システムエンジニアの業界構造は、建築業界と同じく多重請けのピラミッド構造ともいわれ、開発業務を発注元と直に契約を結ぶことができる元請けと以降の、1から2次請けとそれ以下と順に契約をしていくため必然的に下請けに属する企業になればなるほど案件の契約単価は目減りしていきます。

そこで、今回は下請けシステムエンジニアの年収についてご紹介していきます。  

 

主な元請け、1次請けの企業とはどんな企業??

ピラミッド構造の頂点、上位に位置する元請け、1次請け企業は、大手SIerや上流SIerと呼ばれる会社を指します。要するに受注企業に近い契約形態ほど給料が高くなるため、同じ仕事をしていても受注企業との契約の距離によって単価が異なるため、必然的に下請けと呼ばれる企業で従事する場合、当然基本給与の水準も低くなります。  

 

一般的に年収にすると請けを1つ経るごとに20~30万以上の年収の差があるとも言われ、元請け大手企業と下請け企業では、実に給与に2倍以上も差があるともいわれています。  

 

では、元請けや1次請けかなどを判断するポイントはあるのでしょうか。 それは、企業HPに記載している主要取引先を確認することで判断することができます。主要取引先には官公庁や公共機関等の非IT企業が多い場合は元請け、1次請けの可能性が高いと言えます。  

 

逆にNTTデータ、野村総合研究所、日立製作所等の大手IT企業が多い場合は、いわゆる2次請けが多く、それ以外の企業が多い場合では、3次請け以下の請け受託企業であることがわかるというわけです。  

 

3次請け禁止でも実は横行している

冒頭から多重下請け構造の中で、ここでは3次請けがあるものとして記載していますが、実際には3次請けで契約することは法律では禁止されています。

ですが、現状業界自体の人手不足もあり、契約自体の3次請けは存在していなくとも実態として3次請け4次請け5次請けと同等の契約形態で受託する企業が存在しているため、これからエンジニアを目指したい!という方は注意が必要です。

 

下請け企業の給料はどのくらい??

下請け企業でも受注企業との契約の距離で給料が異なることは紹介しましたがでは実際どのような点において違うのかを紹介します。まず、受託を生業とする企業の収入の大半は案件の単価で利益を得ています。そのため元請け、1次請までの上流企業は一般的に平均年収と言われる460万円前後+残業代はもらえていると考えて良さそうです。  

 

問題なのが2次請け以降の企業。少ない単価から会社の利益分と給与を分配していくため必然的に社員の給与は低くなることは明白です。下流企業でよく見られるのが、みなし残業制度を採用している点です。このみなし残業制度は、給与に予め一定時間分の残業代を含む制度で、一見残業しなくても金額が支払われるのか!と思いますが、実際には残業に対して見合わない金額になることが多い点に注意が必要です。  

 

具体的には、40時間分相当として特別手当3万円支給と設定していることが多いため、1時間750円程度で残業していることになります。また、長時間労働是正のため多くのプロジェクトでは、200時間以上働くことを規制する傾向があります。  

 

つまり、みなし残業を採用している企業の社員の場合、通常可動+みなし残業以上の労働時間を計上することが難しく、ほぼ昇給以外に給与が上がることはないと考えていいでしょう。 では、具体的に給与がどうなるかというと、一般的に下請け下流企業での給与は、20〜25万で推移しています。

よって、基本給+特別手当−税金・保険等で17〜20万円前後が給料だと言えるでしょう。  

 

下請けの将来はあるのか

ここまで下請け企業の給与について話してきましたが、長いエンジニア人生で果たして下請け企業の社員を続けるだけの将来性があるのでしょうか。

結論から言えば、現状維持で良いならそのまま従事し続けても問題ないでしょう。

しかし、そうではない場合は、長期的に従事することに価値を見出すことはできないでしょう。

特に年収アップ、キャリアアップ等を考えている場合は、その実現可能性を具体的に模索していかなければなりません。

 

下請け企業の従業員が年収アップするためには??

では、年収をアップさせるためにはどうすればよいでしょうか。

現実的な方法は、「より上流企業に転職してステップアップしていく」か、「フリーランスエンジニアとしてキャリアをスタートしていく」という2点です。

前者後者実現のための共通の具体的な方法としては、エンジニア専門の転職エージェント、フリーランス支援エージェントを利用するのが良いでしょう。  

 

エンジニア専門の転職エージェントとしては、「レバテックキャリア」が代表格と言えます。

専門と謳っている通り、業界にも精通しており提示される案件の質、福利厚生等の環境整備が整っている企業が多いことや、初回面談から応募、内定まで平均して2ヶ月弱とスピーディなのも特徴です。  

 

また九州地区でのITエンジニアの転職は当サイト運営の「アセアンリンク」もお勧めです。

多くのIT会社とのパイプが広く要望に合った職場やプロジェクト紹介の対応が出来ます。  

 

フリーランスエージェントとしてオススメなのは、経験・スキルが浅い場合は、「ポテパン フリーランス」、そうでない場合は、「レバテック フリーランス」が代表的です。

前者の特徴としては、実務経験1年程度でも案件を紹介してもらえる点でしょうか。

通常、3〜5年以上は実務経験がなければ転職などを勧めるところが多いですが、そうでなくとも高単価な求人を紹介してもらえる事が多いため、「経験が浅いから...」という理由だけで下流企業に従事し続ける選択をしなくても良いと言えそうです。

後者については、転職エージェントと同じ企業が運営しているため、対象者が転職希望者かフリーランス希望者かによっての違いのみでスピーディーな対応、高品質高単価な案件紹介サービスが特徴です。  

 

これらサービスを積極的に活用すべき共通する点は、対面で自分の市場価値を知ることができ、なおかつキャリアの棚卸や面接体側等もしっかりサポートしてくれるため、自ら転職サイトに登録して企業や案件を探し、応募するよりはるかに効率的だからです。但し、いずれにしろ年収アップやキャリアアップには、エンジニアとしての技術的スキルや対人的スキルを高めていくことが必須です。  

 

例えば、使用できる言語をRubyやPythonなどの高付加価値言語にシフトできるようになるために自らポートフォリオを作成して如何に自分のスキルやキャリアについて真剣に考え行動してきたか。きちんと示せるような人材かをアピールできるような自助努力なども有効な手段だと考えられるでしょう。  

 

まとめ

以下、まとめになります。

・SEの社会構造は多重下請けのピラミッド構造

・元請け、1次請けの上流企業も見分け方は主要取引先企業に大手IT企業があるかどうか

・下請け企業の給与体系。特にみなし労働制に注意