コラム

厚生労働省麻薬取締部、麻薬取締官になる為には?別名:麻薬Gメン

厚生労働省麻薬取締部、麻薬取締官になる為には?別名:麻薬Gメン

厚生労働省麻薬取締部、麻薬取締官(麻薬Gメン)になる為には?

麻薬取締官までの道のり

はれて麻薬取締部に入省できたとしても、すぐに「麻薬Gメン:麻薬取締官」を名乗れるわけではありません。麻薬取締官に任命されるには、少なくとも1年以上の研修および実務経験が必要となります。それまでは「麻薬取締官見習い」として研修や麻薬取締官の補助として働きます。違法薬物にかかる各種法令(覚醒剤取締法、大麻取締法など)、刑法、刑事訴訟法など捜査業務に関わる関係法規。  

 

私が入省した頃は、陸上自衛隊に研修として数日入隊させられ、朝4時起床→20kgのリュックを背負って隊列で10kmの歩行訓練→体力測定として10kmランニングなど、体力や忍耐、団体行動・規律の重要性などを養うための研修もありました。  

 

実務としては、先輩麻薬取締官に付いて実際に内偵捜査や薬物捜査に参加し、犯人の取り調べの立会人として出席することもあります。また、業務上必要な書類や手続きの補助をしながら学んでいきます。薬物犯罪のほとんどは日中よりも深夜にかけて行われるので、張り込み捜査は深夜もしくは夜どおし行われます。  

 

このような研修・業務内容から、麻薬Gメンに憧れて入省したものの、麻薬取締官になること無く見習いのまま退職した者も多くいます。 根気強く学び、働き続けてようやく「麻薬取締官」として任命され、司法警察員手帳、手錠、警棒が厚生労働省から貸与されます。  

 

麻薬取締部で学んだこと、身についたモノ

薬物犯罪は「被害者のいない犯罪」と呼ばれます。

密売する側も、それを買う側・使用する側どちらも犯罪者だからです。

なので、窃盗や殺人事件のように事件が舞いこんで来ることは無く、こちらから事件を探しに行かなければいけません。  

 

当時「2ch掲示板」に「薬、違法」というジャンルがありました。

インターネット掲示板を通じて密売人と購入者が隠語などを使用しながら取引をしていたのです。  

 

担当していた事件もほぼ片付き、次の事件を探さないといけないなぁと思っていたころ、先輩麻薬取締官と一緒にその掲示板にあった書き込みの1つをもとに捜査を開始することにしました。 もちろん、真偽不明の書き込みです。(ただのイタズラだったり、訴えられないことを良いことに、違法薬物を販売すると言ってニセモノを送りつける詐欺などもあります) 手掛かりが少なすぎて、失敗して当たり前の取り組みでした。  

 

掲示板に書かれた内容だけが手掛かりだったので、途中で行き詰まることもあり、挫折しかけたこともありましたが、あの手この手を使って 「とにかくやってみる!」「思いつく限りやってみる!」「思いつかなければ思いつくまで調べあげる!」をモットーに取り組み、半年以上の時間をかけて、徹底的に調べあげ、最終的には10名以上の密売人を逮捕するまでに発展しました。  

 

私がこの事件を通して身につけた情報収集能力と、行動力は一生モノです。 あなたが麻薬取締官になり、日々の業務や事件を通じて学ぶことは私のそれとは異なるモノかもしれませんが、社会人としても人間としても確実に成長できる職業であることは保証します。