厚生労働省・麻薬取締部、別名:麻薬Gメンのお仕事とは?
厚生労働省 麻薬取締部のお仕事とは?
一般的には関わる事がない、麻薬捜査官のお仕事を解説します。
麻薬取締官は厚生労働省麻薬取締部に所属しています。
その職務内容や麻薬捜査官になる為に必要な事も説明します。
1.麻薬取締部とは?
麻薬取締部は厚生労働省の厚生局に属する行政機関で、各職員は国家公務員となります。
国家公務員ですので、活動範囲は都道府県をまたいだものとなりますし、勤務地は北海道から沖縄まで数年単位で全国転勤する可能性があります。
主な業務としては薬物犯罪の捜査・逮捕・検挙・取調べ、薬物の鑑定となり、行政機関でありながら薬物犯罪専門の捜査機関でもあります。
テレビで「麻薬Gメン:麻薬取締官」として薬物犯罪者と戦う特番を見た方もいらっしゃるかもしれません。
警察とは全くの別組織でありながら、捜査権や逮捕権、拳銃の所持が許された司法警察員となります。
また、あまり知られていませんが行政機関として薬物乱用防止活動キャンペーンや病院などに赴いて医療用麻薬の適正使用や正規流通の監視、海外の薬物対策機関との連携なども任されている部署となります。
2.麻薬取締部に入るには
麻薬取締部は国家公務員Ⅱ種となりますので、基本的に国家公務員試験を受ける必要があります。
試験合格後、麻薬取締部幹部の面接を経て入省となります。
ただし、薬剤師免許取得者もしくは取得予定者は国家公務員試験が免除され、論文の提出と面接の結果により合否が決まります。
薬剤師ズルい!と思われるかもしれませんが薬学部では6年間のカリキュラムののち、薬剤師国家試験を合格しなければならないので、大変さは変わりません。(むしろそれ以上かも…)
ちなみに筆者は薬学部卒ですが、薬学部で学んだことは薬物鑑定、薬事関連法規以外は捜査業務で全く役に立ちませんでした(笑)
3.麻薬取締部で求められるモノ
「麻薬Gメン」のイメージに憧れて毎年かなり応募者がいますが、麻薬取締官は政令で定員が定められていて、現在は全国で288名と少数精鋭となっています。
試験ができても犯罪捜査や犯人の取調べができるとは限らないので、面接がとても厳しめです。
というのも、犯罪捜査はみなさんが思っている以上に地味で見栄えがしないものばかりです。
犯人が写っているかどうかも分からない防犯カメラを確認のために、まる1日再生することもあります。
出てくるかどうか分からない犯人の住居を夜から翌朝にかけて張りこむこともあります。
逮捕後の取調べでは、怒鳴り散らす者や黙ったままの者にあわせて会話をしなければならないこともあります。
こういった地道な作業を何日も積み重ねて、ようやく犯人の逮捕につながるので、麻薬取締官にはかなりの忍耐力や継続力が必要ですし、取り調べにはコミュニケーション能力も欠かせません。 また、国民を違法薬物から守るという正義感や使命感も必要となります。
それでもやりたいという意欲がある者だけを厳選して採用しないといけませんから、面接も厳しくなるんです。